加納鉄哉 彫刻 図録 タバコ入れ とんこつ 矢筒 鉄筆彫 木彫り 観音像 [29062012]

加納鉄哉 彫刻 図録 タバコ入れ とんこつ 矢筒 鉄筆彫 木彫り 観音像 [29062012]

販売価格: 15,010(税込)

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商品詳細

2003年発行/全104ページ

巻末に当展覧会の解説チラシ(フライヤー)が付されています

■本書序文■
明治から大正にかけて、古美術への該博な知識と卓絶した彫技で独自の芸術を追求した
彫刻家・加納鉄哉(1845~1925)。

諸芸に秀でた天才の没後一年あまりで元号は昭和に変わり、
芸術文化の潮流の変化さらには第二次世界大戦後の生活様式の欧米化が進むにつれて、
鉄哉の作品も実績も時代に取り残され、いつしか忘れられていきました。

鉄哉は岐阜有数の名家に生まれ、家業の没落に伴い禅寺に身を寄せるなど
幼時から23歳までの成長期をこの地で過ごしました。
明治元年、彫刻で身を立てることを決意した若き鉄哉は僧籍を脱して故郷を離れ、
諸国を巡って彫刻の修業を積みました。
独学で会得した鉄筆彫をはじめ多彩な彫技に習熟した鉄哉は、
古美術の宝庫で仏教彫刻の名品が数多く伝わる奈良に遊学します。
鉄哉芸術の根幹をなす精緻な模作や徹底した写実表現のなかに深い精神性をたたえる作風は、
たゆまぬ古美術探求の成果といえましょう。

鉄哉の彫技は中央官界にも知られました。
フェノロサや岡倉天心たちが進めてきた近畿地方の古社寺の宝物調査への同行を認められ、
明治17年、近代美術史上に名高い法隆寺夢殿の開扉に鉄哉も立ち会ったことが、岡倉天心の記録に残っています。
そして明治21年、東京美術学校の彫刻科の初代教諭に任命されます。
しかし、鉄哉は開校まもなく教職を辞して、在野の芸術家として制作に専念する道を選んだのです。

この後、鉄哉は何物にもとらわれず自らの芸術を追求する意志を込めて、
「唯我独尊庵(主)」を名乗り、この雅号を生涯愛用しました。

彫刻をはじめ、絵画、工芸品、煎茶道具、喫煙具等生活に潤いをあたえる美術品を手がけて、
市井の名工とうたわれました。
日本古来の美を基調としたその芸術はこれまで顧みられることはあまりありませんでしたが、
生活全般に美をとりいれる志向の高まる今日、美術・工芸の枠を超えてほんものの美にこだわった
鉄哉の遺業に光をあてることは意義ある試みと信じます。


状態:中古 概ね良好

#茶合 #煎茶道具 #硯箱

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